お客様写真のSNS掲載、同意書に何を書く?サロンが撮る前に伝える掲載先と期間、子どもの写真は保護者に
お客様の写真を店のSNSに載せるなら、撮る前に、載せる場所・写り方・載せる期間・消したいときの連絡先の4つを伝えて了承をもらい、その中身を控えておきます。子どもの写真は、保護者から了承をもらいます。
施術が終わり、鏡の前で仕上がりを確かめているお客様に「お写真いいですか」と声をかけたとします。お客様がうなずいても、その「はい」が撮ることへの了承なのか、店のInstagramやホットペッパービューティーに載せることへの了承なのかは、当日の会話だけでは後に残りません。
ここでは、撮る前に伝えること、子どもの写真の了承、載せた後の控え方を、個人情報保護委員会の資料にもとづいて整理します(2026年10月30日時点)。肖像権の侵害に当たるかどうかの判断は扱いません。
撮る前に4つを伝えて控える。子どもの写真は保護者の了承
本人を判別できる写真は、一般的に個人情報に当たります。個人情報保護委員会のQ&Aは、行事の写真を社内に展示する例について、利用目的の通知か公表は必要とし、不特定多数に見せるときは自主的に本人の同意を得る取り組みが望ましいとしています。子どもの写真は、Q&Aが一般的な目安とする12歳から15歳までの年齢以下なら、保護者から了承をもらいます。
「撮っていいですか」と「載せていいですか」は別の確認
撮る了承と載せる了承は、お客様にとって重さが違います。カルテに残す記録の写真なら、見るのは店のスタッフだけです。店のSNSに載せた写真は、店を知らない人の目にも触れます。
「撮っていいですか」とだけ聞くと、お客様はカルテの記録のつもりで答えているかもしれません。仕上げの会話で了承をもらうときは、何のために撮るのかを先に伝え、載せるつもりなら、撮る了承とは別に、載せてよいかを聞きます。
記録として撮る
カルテに残し、次の来店で前回の仕上がりを確かめるための写真です。見るのは店のスタッフだけです。
載せるために撮る
店のInstagram、ホットペッパービューティー、Googleに載せる写真です。店を知らない人も見るので、載せる場所を伝えて、撮る了承とは別に了承をもらいます。
個人情報保護委員会のQ&Aが示す線 ─ 利用目的の通知か公表は必要、同意は自主的な取り組みとして望ましい
撮る了承とは別に聞く理由を、個人情報保護委員会のQ&Aで確かめます。サロンの写真に近い例として、Q&A(Q7-11)は会社の行事で撮った写真を社内に展示する場合に答えています。要点は、本人を判別できる写真は一般的に個人情報に当たるので、利用目的を通知するか公表する必要があり、不特定多数の人に見せるときは自主的に本人の同意を得る取り組みが望ましい、ということです。原典の言い回しに沿って並べると次の3つです。
- ・一般的に、本人を判別可能な写真の画像は個人情報に当たる。ただし個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)ではないと解されるため、あらかじめ本人の同意を得ずに展示しても、第三者提供の制限(個人情報保護法第27条第1項)に違反するおそれはないと解される
- ・その場合も、利用目的を通知するか公表することは必要(同法第21条第1項)
- ・プライバシーの権利や肖像権の侵害に当たる場合もあるため、展示の期間を限ったり、不特定多数の人に見せるときは自主的に本人の同意を得たりする取り組みが望ましい
店のSNSは、不特定多数の人が見る場所です。サロンでは、Q&Aが望ましいとする取り組みに沿って、載せる写真は本人の了承をもらう、という線で考えます。
Q&A(Q1-59)は、利用目的の公表を店のホームページで行うことも可能と解したうえで、店舗に来たお客様にとってそのホームページが合理的に把握できることを含め、分かりやすい場所に載せることが求められると解しています。受付でプライバシーポリシーの載っている場所を示すなど、来店したお客様の目に届く形にします。
Q7-11の答えは、写真が個人データではないことを前提にしています。写真のデータそのものを、お客様の名前で探せる形でカルテと一緒に保存している店には、この前提が当てはまらないことがあります。個人情報保護法は、特定の個人情報をコンピューターで検索できるように体系的に構成したものなどを「個人情報データベース等」と定めているためです(第16条第1項)。自店の保存のしかたで扱いが変わるかは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849)で確かめます。肖像権の侵害に当たるかどうかで迷ったら、弁護士に相談します。
撮る前に伝える4つ ─ 載せる場所・写り方・載せる期間・消したいときの連絡先
了承をもらうときに伝える中身は、次の4つです。紙の同意書でも、LINEで送る確認の文面でも、項目は同じです。
撮る前に伝える4つ
- ・載せる場所:店のInstagram、ホットペッパービューティーのスタイル写真、Googleビジネスプロフィールなど、載せる先を名前で言う
- ・写り方:顔が写るのか、後ろ姿や髪だけにするのか。目元を隠すなどの加工をするかどうか
- ・載せる期間:いつまで載せるか。期間を決めないときは、消したいと言われたら消すことを伝える
- ・消したいときの連絡先:店の電話やLINEなど、あとから「消してほしい」と言える窓口
同意書やLINEで確認するときは、たとえば「撮影したお写真を、当店のInstagramとホットペッパービューティーに、お顔が写る形で載せてもよろしいですか。期間は決めていませんが、消してほしいときは店のLINEかお電話でお知らせいただければ、できるだけ早く消します。ほかの方が保存した写真までは消せない点はご了承ください。」のように、4つを1つの文面に入れます。
写り方を決めるときの加工の目安は、7月10日の『その写真、盛りすぎていませんか?サロンのSNS・Googleに載せる前の写真チェックリスト』にまとめています。
了承の中身は、その場で控えます。紙の同意書なら日付とお客様の署名が、LINEなら確認の文面への返事が残ります。口頭で了承をもらったときは、担当したスタッフがカルテに「掲載の了承あり。Instagramとホットペッパービューティー、顔あり、期間の定めなし」のように書いておきます。
伝えた場所のほかに載せたくなったら、改めてお客様に聞きます。たとえば、Instagramに載せる了承をもらった写真を、あとからチラシや有料の広告に使う場合です。個人情報保護法は、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うときは、あらかじめ本人の同意を得るよう定めています(第18条第1項)。利用目的を変えてよい範囲と、変えた目的を本人に通知するか公表することにも定めがあります(第17条第2項・第21条第3項)。
子どもの写真は保護者に ─ 七五三の着付けやヘアセットの日
11月の七五三では、着付けやヘアセットをした子どもの仕上がりを撮る場面があります。写るのが子どものとき、了承を誰からもらうかを先に決めておきます。
個人情報保護委員会のQ&A(Q1-62)は、法定代理人等から同意を得る必要がある子どもの年齢について、対象となる個人情報の項目や事業の性質等によって個別具体的に判断されるべきだとしています。そのうえで、一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられる、としています。
この年齢の線は、法律が本人の同意を求める場面についてのものです。写真の掲載の了承は、Q7-11では望ましい取り組みとされているものですが、サロンでは同じ線にそろえ、12歳から15歳までの年齢以下の子どもの写真は保護者から了承をもらい、迷う年齢のときも保護者に確かめます。七五三の年齢の子どもなら、親権者(父母)に、載せる場所などの4つを伝えて了承をもらいます。付き添いが祖父母などのときは、その方が親権者とは限らないので、親権者から了承をもらう方法(LINEで確認の文面を送るなど)を先に決めておきます。
2026年7月10日には、改正個人情報保護法が国会で成立し、7月17日に公布されました。個人情報保護委員会の概要の資料によると、16歳未満の人が本人である場合は、同意の取得や通知などの相手を法定代理人とすることが法律に明記されます。施行の日は、原則として公布の日から2年を超えない範囲内で決まります。2026年10月30日時点では、委員会が施行に向けて政令・規則・ガイドラインを検討している段階です。
| 項目 | いま | 改正法(成立済み・施行前) |
|---|---|---|
| 法律が求める同意(いまと改正法)や利用目的の通知(改正法)で、相手を親権者などの法定代理人とする年齢 | Q&Aの目安で、一般的に12歳から15歳までの年齢以下 | 16歳未満 |
| 決まりの置き場所 | ガイドラインとQ&Aの記載 | 法律の条文 |
表の年齢は、目的外の利用や第三者への提供など法律が本人の同意を求める場面と、改正法で加わる利用目的の通知などの場面の話です。
載せた場所の控えと、「消してほしい」と言われた日の動き
了承をもらって載せた写真でも、後日「やっぱり消してほしい」と連絡が来ることがあります。その日に慌てないよう、載せた時点で次の項目を控えておきます。
- ・載せた日
- ・載せた場所と投稿のURL(Instagramの投稿、ホットペッパービューティーのスタイル、Googleの写真)
- ・カルテ番号(控えの表にはお客様の名前を書かず、番号でカルテと結び付ける)
- ・了承の中身を残した場所(紙の同意書、LINEの返事、カルテのどれか)
消してほしいと言われたら、次の順に動きます。
- ・控えを見て、載せた場所を全部消す(ホットペッパービューティーとInstagramなど複数の場所に載せた写真は、控えの場所を順に消す)
- ・消した日と場所を同じ控えに書く
- ・お客様に消したことを伝える
店が消せるのは、店のアカウントの投稿までです。ほかの人が保存したり共有したりした写真は、店からは消せません。撮る前の説明でこのことも一言添えておくと、お客様が了承するかどうかを決める材料になります。
写真に添える投稿文の下書きをAIに頼むときも、渡すのはメニュー名や髪の長さ、カラーの色味といった仕上がりの情報だけにし、お客様の名前、来店日、カルテの内容は入れません。写真そのものを渡すなら、鏡に映った別のお客様や受付の予約表、カルテの画面が写り込んでいないかを先に見ます。使うAIの設定の確かめ方は、5月15日の『お客様情報、AIに入れて大丈夫?サロンで決めたい3つの個人情報ルール』にまとめています。
よくある質問
顔が写らない後ろ姿なら、了承はいらないですか?
高校生のお客様が1人で来たときは、本人の了承だけでいいですか?
同意書は紙でないといけませんか?
参考にした情報
写真と個人情報の関係は、個人情報保護委員会のQ&A(Q7-11・Q1-59・Q1-62)の本文と、e-Govの個人情報の保護に関する法律(第16条・第17条・第18条・第21条・第27条)の条文で照合しました。改正法の内容と施行に向けた検討の状況は、個人情報保護委員会の「令和8年 改正個人情報保護法について」のページと、そこに載る概要の資料によります(いずれも2026年10月30日時点)。
施行の日や細かな扱いは、これから政令やガイドラインで示されます。自店の写真の扱いや肖像権に当たるかどうかは、弁護士や個人情報保護法相談ダイヤルにご相談ください。
出典
掲載の了承をもらう確認の文面を、店で揃えておきたい方へ
GlamAIサロン版のプロンプトライブラリには、よく使う指示文を登録して、チーム全員で共有できます。載せる場所や期間を伝える確認の文面や、写真に添える投稿文を頼む指示を一度登録しておけば、お客様の名前やカルテの内容を入れない形で、誰が頼んでも同じ指示を使えます。
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